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吉例顔見世興行(京都南座) [観劇(伝統芸能)]

當る戌歳 吉例顔見世興行 鴈治郎改め坂田藤十郎襲名披露
京都四條南座
2005年12月24日(土) 
 昼の部:10時30分開演 3階1列25番
 夜の部:16時45分開演 3階1列21番

坂田藤十郎襲名に特別な思い入れはないが、できれば本人の地元京都で始まる襲名披露を見ておいてもよいかな、という気持ちもあり、今年も南座へ。

まず昼の部は「女車引」から。女形三人の清元舞踊で幕が開くのも華やかで良い。

続いて襲名披露の「夕霧名残の正月」。幕が上がると、屋根のついた古風な置き舞台の中央に藤色の裲襠が掛かっている。いつもの「吉田屋」と最も違うのは、夕霧は既に亡くなっておりその四十九日に伊左衛門がやって来て夢の中で夕霧に出会う、という設定(舞台となる店の名も「扇屋」)。
一巴太夫の常磐津に乗って新・藤十郎の伊左衛門は下手橋掛かりから登場。一方、雀右衛門は裲襠の後ろからせり上がりで現れるが、儚さをたたえた色気は流石。藤十郎も、初代に繋がる演目という微かな緊張感を持ちながらも、本来の柔らかさを漂わせていた。最後に我當、秀太郎をを従えて「狂言半ば」での襲名口上があって幕となる。

吉右衛門の「五斗三番叟」は二月歌舞伎座で見たばかり。雀踊りに始まり竹田奴で終わる不思議な演目だが、又兵衛の酔態を楽しむ。松緑の六郎も、前回より落ち着きを感じる。

踊り二題は、まず仁左衛門の「文屋」。江戸末期の清元舞踊で、立役扮する女官に囲まれた文屋康秀という設定。初役の仁左衛門だが、踊りも女官との絡みもすっきりと無理がなく、公家風の柔らかさが表に出ていた。
次いで「京人形」。地は余所事浄瑠璃の常磐津と長唄の掛け合い。菊之助の人形姿に客席から「きれいねぇ」の声があがる。菊五郎の甚五郎は闊達。芝雀の女房も良い味わい。

昼の部締め括りは「曽根崎心中」。扇雀時代からの当たり役である藤十郎のお初を中心に、濃密な雰囲気が展開する。今回は、生玉神社、天満屋内、曾根崎森という三場を、幕を引かず半回し(回り舞台)で展開したことで流れがすっきりした。九平次の悪事が現れる場面は以前よりきっちり描かれている気がしたし、我當が慈愛ある伯父久右衛門を好演、九平次初役の亀鶴も健闘していた。

 

三十分程度の慌ただしい入れ替えで、夜の部。

「引窓」では、地道な誠実さの梅玉(南与兵衛)と腹の据わった朴訥さの我當(濡髪)を、達者な東蔵(母お幸)が繋いでいるという舞台で、扇雀初役のお早も溶け込んでいた。

「口上」は、幕が開くとモダンな意匠をあしらった派手な襖絵の前に、雀右衛門以下幹部俳優と当人が並ぶ。各人のコメントはそれほど型破りなものはなく、ゆったりとした披露口上だった。

「本朝廿四孝」は、藤十郎の八重垣姫、菊五郎の勝頼、秀太郎の濡衣、吉右衛門の謙信という大顔合わせに、白須賀六郎に梅玉、原小文治に仁左衛門が付き合う豪華な披露狂言。舞台の設えや演技も義太夫の本行に沿ったやり方だが、それと相まって八重垣姫の一途な色気が溢れる。奥庭の場の人形振りも軽やかで、白無垢に引き抜いてからはさらに自在な動きに驚かされる。

最後は踊りで打ち出し。「相生獅子」はやや古風な石橋物で、菊之助の可愛らしさも良いが芝雀のしっとりした動きも負けていない。「三人形」は松緑、愛之助、孝太郎による常磐津舞踊で、吉原仲之町を背景に華やかな締め括り。

今回の顔見世は、珍しく常磐津と清元の出番が多いのが印象的(逆に、長唄が少ないとも言える)。それにしても、ただでさえ盛り沢山の顔見世を昼夜通し(10時間40分)というのは、さすがにくたびれた。

終演後は、東京からの友人夫妻と合流して、加茂街道にある友人の店へ。京野菜の炊き合わせや九条葱のポタージュなど、センスのある料理を少しずつとワインを頂いて、ゆったり。柴犬のグンちゃんにも久しぶりに会えた。


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コメント 4

Norihime

いやぁ~!グンちゃんかわいい~!
相変らずカメラ目線ですね‥‥。
私も九条葱のポタージュをいただきたいです。

ステキなクリスマスを過ごされたようですね。
さすが、視点が違います。私はやっぱり上手に解説できない‥‥(^_^;)

TBありがとうございました。
このところバタバタしていたり、ブログの調子が悪かったりで、なかなかお返事ができませんでした‥‥m(_ _)m
by Norihime (2005-12-30 20:49) 

ShyBoar

コメントありがとう。男前のグンちゃんの写真、お気に召しましたでしょうか。
顔見世を見て京都で過ごすのも、確かに悪くないクリスマスでした。

私の方の仕事納めは28日でしたが、昨日今日と年賀状に追われていながらブログの方を優先してしまったりして、30日の夕方にようやく投函できたような具合です。一日二日余裕があっても年末のバタバタはあまり変わりませんね。
by ShyBoar (2005-12-31 01:01) 

Ren

昼夜通しで観劇とはすごい荒業ですね。限られた日程での観劇ですと
そうならざるを得ないとも言えますが、10時間40分お疲れ様でした。
NHK教育で、「夕霧・・」「口上」「本朝・・」を放送するようなので京都まで
行かれない私はTVで楽しみたいと思います。菊之助の人形が楽しみです。
by Ren (2005-12-31 07:57) 

ShyBoar

Renさん、またまたnice!&コメントいただき嬉しいです。
日程に余裕があってチケットが取れれば24日夜と25日昼でも良かったのですが・・・。
TVでは「口上」の派手な襖絵もチェックしてみてください。
by ShyBoar (2005-12-31 09:52) 

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