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初春花形歌舞伎(昼の部) [観劇(伝統芸能)]

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初春花形歌舞伎(昼の部)
新橋演舞場 2009年1月18日(日)11時開演 3階1列42番

昨日に引き続き演舞場へ。今日は1列目の上手側で通路際の席なので、少しゆったり。

1.猿翁十種の内 二人三番叟 竹本連中
猿楽に起源を持ち能から歌舞伎へ取り入れられた三番叟物は本当に様々なスタイルがあるが、今回の「二人三番叟」は澤瀉屋の家の芸として初代猿翁から当代猿之助へと受け継がれてきたもの。澤瀉屋若手だけで演舞場以上の本舞台にかけるのはチャレンジと言えるだろう。

下手に橋掛かり風の部分を持つ松羽目の舞台。文楽で幕開き前にいつも聞きなれていることもあって、上手に並ぶ竹本の響きが心地良い。まずは笑也の千歳、弘太郎の付千歳、さらに段治郎の翁が登場するが、残念ながら古風な大らかさや荘重さが今一つ感じられないのが、少々物足りない。続いていよいよ右近と猿弥の三番叟が登場し、こちらは人形ぶりも交えて軽妙に踊り、片方がサボったり帰ろうとするところでは客席からも和やかな笑い声が聞こえていた。



2.寿初春 口 上 一幕
   市川海老蔵「にらみ」相勤め申し候
今公演の演目が発表されたとき、私も「にらんでもらいにだけ行くかなぁ」と軽口を叩いたのだが、昼夜全ての中で市川宗家御曹子の海老蔵ならではの幕と言えばやはりこれだろう。得意の目力でにらむところでは襲名時の口上を思い起こしたし、狂言名題(演目)の読み上げをするだけで「仕初め式」という古風な雰囲気が少し味わえるのも悪くはない。



3.義経千本桜 木の実/小金吾討死/すし屋 二幕三場
千本桜の三役である渡海屋銀平実は平知盛、いがみの権太、佐藤忠信実は源九郎狐を全て演じることは、「立役の卒業論文」という言い方がある。出典不詳なのが気になってネットで簡単に検索してみた限りでは、どうも当代猿之助が元気な頃に「一日で三役演じれば・・・」という前提で言ったということのようだ。海老蔵の場合は飛び飛びながら1年間の短期間に全て手がけているものの、まだまだ卒業とは言えないと思うのは私ばかりではないだろう。「傷は多いが意欲的」と言うべきか、「意欲はあるとは思うが、相変わらず傷も多い」と言うべきか、難しいところではある。

海老蔵の他の役、あるいは獅童の忠兵衛で感じたのも似た感覚のような気がするのだが、妙に生々しいというか、型を追うよりも自らの実感を頼りにリアルさを前面に出した芝居のように見えて仕方がない。「木の実」では、そのやり方がそれなりに効果を上げている面があるようにも思えたが、かといって言葉や醸し出す雰囲気は大和の田舎のならず者ではなく基本的には江戸のものなので、やはり中途半端さは否めない。

さらにこれが「すし屋」になると、海老蔵流リアルでは押しきれないと言うか、きちんとした型を踏みながら情も交えて盛り上げていくやり方をしてほしいという物足りなさがどうしても残ってしまう。また、全くレベルの違う話かもしれないが、先に観た友人が指摘していて私も気になってしまったのが、海老蔵の肉体、というか筋肉。胸元をはだける場面も多いわけだが、ジムで鍛えたような大胸筋は、これも江戸時代の田舎のならず者の身体に見えず、リアルさを追うやり方自体も阻害しているような気がしてしまった。

その他の顔ぶれでは、段治郎の小金吾が若衆らしい風情で立ち回りもまずまず。笑三郎のこせんは世話女房らしさを見せる。若葉の内侍は元々存在感を見せるのが難しい役だと思うが、笑也でもやはり影の薄さが気になった。門之助の弥助実は経盛は過不足なし。春猿のお里はまずまずではあったが、時に見せる生々しさがやはりマイナス。左團次の弥左衛門、右之助のおくらは、さすがに本役で観ていても落ち着く芝居。

4.お祭り 清元連中
同じ演目でも、先日の松竹座では仁左衛門の鳶頭に孝太郎の芸者に若い者が立ち回り風に次々と絡む、という形だったが、今回は海老蔵、獅童、猿弥の鳶頭に春猿、門之助、笑三郎の芸者が順次舞台に現れて二人ずつ、あるいは鳶頭だけ、芸者だけでの踊りを見せ、最後は海老蔵を中央に全員が並んで幕となるというやり方。まあ、前幕の権太の落ち入りで打ち出しというのも暗いので、昼の部を明るく締めくくるという意味はあるということだろう。

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