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壽初春大歌舞伎(夜の部) [観劇(伝統芸能)]

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歌舞伎座さよなら公演 壽初春大歌舞伎
歌舞伎座 2009年1月24日(土)16時30分開演 1階2列33番

1月も下旬になって、ようやく「さよなら公演」の始まった歌舞伎座へ。

1.壽曽我体面 一幕
1月の演目と出演俳優を見たとき工藤はてっきり富十郎かと思ったが、よく見たら幸四郎だった。幕開き直後の道具裏からの声は朗々としていたが、登場してからはくぐもった口跡がやはり気になる。もちろん、五郎・十郎に位負けはしないものの、もっと堂々と大きく見せることは十分できるはずだと思うのだが、意外と(でもないか)終始淡々とした雰囲気。

見どころは、何と言っても吉右衛門の五郎。本人も筋書のインタビューで「64才である私が、前髪の、エネルギーの有り余った若者として演じたい」と言っているが、由良之助(内蔵助も)、弁慶、河内山を持ち役にしているイメージも邪魔をしてか、直情的な若武者には見えにくい。それでも、一生懸命に勢いと稚気を見せる姿が微笑ましくもあるし、存在感の大きさは十分すぎるほど。この先再度演じる可能性は少ないのではないかと思うと、貴重なものを見せて貰えたという気持ちになった。

菊五郎の十郎は、何回となく勤めてきた本役であり文句なし。女形では、大磯の虎の芝雀の美しさが目立つ。菊之助の化粧坂少将はちょっと控えめ。染五郎が赤っ面の近江小藤太、松緑が白塗りの八幡三郎なのは、ニンからすると逆の方が合っているかも。鬼王新左衛門は梅玉で、きっちりとした行儀良さが心地良い。



2.春興鏡獅子 長唄囃子連中
まずは幕開きで吉之丞の老女、歌江の局が並んでいるところに贅沢さを感じる。

勘三郎の本作は、上演記録によると勘九郎時代に本興行で15回、襲名後は今回が2回目とのこと。こちらもここ10年程の間に何度も観ているが、今回はあまり勢いに流れる面が見られない。まずは弥生だが、一つひとつの所作をとても丁寧に進めていく姿が印象的。

胡蝶はともに8才の千之助と玉太郎で、一生懸命に踊る姿がきちんとお稽古をしたことも感じさせて何とも可愛いらしく、殆どの観客が目尻を下げていたのではないか。

後ジテの獅子になってからも、一つ一つをかっちり極めながら、髪の振り方も勢いに任せるというよりは着実に盛り上げていく感じで素直に観ることができた。全体を通じて、キレや勢いは以前ほど目立たないものの、バランスの良い仕上がりとなっていたように思う。



  三島由紀夫 作 二世藤間勘祖 演出・振付
3.鰯賣戀曳網 一幕二場
勘三郎・玉三郎コンビで観るのもこれで三度目。猿源氏の父・海老名なあみだぶつは、前回まで勤めていた左團次が今月は演舞場なので今回は彌十郎だが、こちらも博労や廓の亭主で出演経験があるだけに、幕開きから違和感がない。博労はこちらも三回目となる染五郎で、野暮ったい雰囲気を無理なく出して笑いをとっていた。

主役の勘三郎と玉三郎も、ともに今まで以上に無理のない感じ。鰯売りの声も魚尽くしの軍物語も勘三郎が時々見せるやり過ぎ感もなく、素朴なお伽話という枠の中ですいすいと話が進んでいくのは悪くないし、玉三郎も、鰯売りの声を聞いて城から抜け出したお姫様が廓に売られ傾城蛍火となっている、というおっとりと浮世離れした設定のとおりの風情で、幕切れまで微笑ましい気持ちで楽しめた。

他には、東蔵が揚屋の亭主を初役ながら予想通り器用にこなす。庭男実は藪熊次郎太の亀蔵はまずまず。また、蛍火を取り囲む他の傾城達が歌女之丞、京妙、京蔵といった顔ぶれで、対照的に濃い雰囲気を漂わせていたのも楽しかった。
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コメント 2

mami

ShyBoarさん、こんばんは。TBありがとうございました。
吉右衛門さんの五郎は、私はおっしゃる「微笑ましい」を通り越して、こんなに力入って大丈夫かしら、お体に触らないかしら、と心配になってしまいました(笑)。でもほんとに観られて良かったです。
夜の部は勘三郎、玉三郎とも充実してなかなか良かったですね。
TBさせていただきました。
by mami (2009-01-27 00:53) 

ShyBoar

mamiさん、コメント&TBありがとうございました。

いやあ、私もドキドキしながら見ていたという感じに近いです。悪い意味ではなく、あんな五郎もありだと思うと何やら不思議な気分でした。

昼の部も合わせてこちらからもTBさせていただきました。
by ShyBoar (2009-01-28 01:51) 

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