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NODA・MAP「パイパー」 [観劇(その他)]

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NODA・MAP第14回公演「パイパー」
シアターコクーン 2009年1月31日(土)19時開演 2階B列27番

昨年の「キル」再演には行っていないので、一昨年の「ロープ」、番外公演の「THE BEE」以来となるNODA・MAP。今回も松たか子、宮沢りえ出演ということも相俟って人気チケットだったようで、e+のプレオーダーでは外れたが@ぴあで何とか入手。

舞台は未来の火星。火星に移住した地球人の移住後の歴史とフラッシュバックしながら進行する。それ以上はネタバレになるので詳しくは書けないが、パンフレット巻頭に野田自身が書いている「幸せは人間の病」「数字と気分(不幸せ)の悪循環」「自滅していく幸せ」といったものをはじめとして、現代の文化・文明の状況に対する批評・疑問を含む様々な寓意が重層的に散りばめられている。その中でこちらも、例えば「火星=日本?(では地球は?金星は?)」といった連想に次々と思いを巡らしていく。

ただ、そうしたテーマに対し劇中で明らかな答えが提示されるような底割れは見せないものの、逆にやや拡散したままの印象が否めなかったのも正直なところ。野田独特の言葉遊びも連発されるが、こちらの慣れもあってか意外と切れ味が感じられなかった。さらに、終盤まで持ち越された謎は人間にとって古く重いタブーに絡むものだが、割合と早い段階で見えてきてしまったこともあって、その衝撃が他を圧するほどインパクトが強いということにはならなかった。

一方役者のパフォーマンスとしては、まずは宮沢りえがほぼ全編を通じて強い存在感を維持する。松たか子は前半から中盤までの無垢な妹のときはまあまあだが、終盤にかけて主体的な強さが出てきてからと母親役に切り替わる部分では、本来のせりふの強さと凛々しさを感じた。橋爪功は身体も良く動くばかりでなく、醸し出す雰囲気も含めさすがの巧さ。以上の顔ぶれと同等にほぼ出ずっぱりの大倉孝二も、凡庸になりかねない役を過不足なく見せていた。佐藤江梨子は意外な活躍とまではいかなかったが、邪魔にはなっておらず一生懸命さは伝わってきた。パイパーというロボット達はコンドルズが扮していたが、彼らが受け持つ必然性までは伝わってこなかった。

歴史の場面と行き来する際の照明効果や舞台上の転換は、スピード感もあり悪くない。一方で気になったのは、音楽にクラシックを多く用いているのだが、それがベートーヴェン「交響曲第6番『田園』」、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」など超有名曲がほとんどだったこと。そのことの陳腐さ自体が狙いなのであればともかく、そうでなければこういうことを意識させない工夫をして欲しい気もした。

こうして挙げてみるとネガティブな感想が多くなってしまったが、2時間5分の舞台として楽しんだことは確かだし、むしろ知らず知らず期待度を上げてしまった結果ということなのかもしれない。

終演後は、途中でHMVに寄ってちょっとCDを物色してから、大人しく帰宅。


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